成功する、賃貸経営の秘訣とは?
カリスマオーナー水澤健一氏に聞く。

失敗しない投資物件選びのコツや、ライバル物件と差をつける設備投資の方法など、カリスマオーナーとしても知られる水澤健一さんが賃貸経営の秘訣を伝授します。

水澤健一さんの画像

大家のための情報交換・勉強会コミュニティ「大家さん学びの会(R)」。その代表を務める一方、自らも賃貸オーナーとしてアパートや一戸建の賃貸経営に手腕を発揮する水澤健一さんに、成功する賃貸経営の秘訣をお聞きしました。

水澤 健一(みずさわ けんいち)大家さん学びの会(R)/株式会社学びの会 代表
1967年東京都生まれ。1996年、本格的に不動産賃貸業をスタート。窮地に陥っていた義父の個人事業を立て直すべく、活用されていなかった不動産の整理、賃貸マンション新築、投資物件購入、貸地トラブル解決等に手腕を発揮。義理の両親の余裕ある生活に十分なキャッシュフローを作り出すことに成功する。2004年、大家のための情報交換・勉強会コミュニティ「大家さん学びの会」を発足。運営、会員サポートを行う一方で、物件購入から売却まで予測する叶税理士監修の不動産投資シュミレーションソフト『REITISS』のマスター・コンサルタントを務める。
大家さん学びの会

手探りで始めた賃貸経営が、うまくいった理由。

ー 水澤さんの賃貸経営の原点はどこにあったのでしょうか?
水澤:1996年、実家のある香川県に一戸建住宅を購入したことが賃貸経営を始めるきっかけになりました。当時わたしは関東で就職し、神奈川県に住んでいました。母の勧めもあって住宅購入したものの、2年間は空き家の状態。結婚を機にそちらに戻る予定もなくなり「賃貸に出そう」という結論にいたりました。
ー それが、はじめての賃貸経営?
水澤:そうですね。住宅ローンの返済が賃料でまかなえるようになって非常に助かりました。また、賃貸経営をすることによって所得税の還付が受けられることが分かり、「不動産って面白いな!」ということに初めて気がついたんです。
ー その次に、賃貸物件に関わるきっかけは?
水澤:97年に義父の個人事業が行き詰まっていることが判明しました。固定資産税の滞納金額等も大きかったため、妻と協力して不動産を抜本的に整理。賃貸マンション新築、投資物件購入などを行い、新しいキャッシュフローを作り出す事に成功しました。
ー 素晴らしい手腕ですね。
水澤:差し迫っているので、一生懸命勉強しました(笑)。当時、不動産投資や賃貸経営に関する書籍は今ほど充実していなかった。インターネットもまだ黎明期だったため情報にとぼしく、本当に手探りでやっていくしかない状況でした。語り尽くせないほど、ありとあらゆるトラブルに見舞われましたよ(笑)。
ー だんだんうまく行き始めたと感じたのはどういったタイミングでしょうか。
水澤:当時は会社員と大家を兼業していたため、とにかく時間がない状況。歯車が回り出したのは、全部を自分で抱えないで専門家に任せるようにしたことからですね。世の中には、各分野において自分よりも優秀な人がたくさんいるんですよ!弁護士や税理士、不動産仲介会社のスタッフなど、優れた人材に報酬を払って仕事を依頼をする。もちろん、そのためにお金はかかりますが、数万円のお金をケチっていては、何千万円も動かす大家になる資格はありません。ストレスを回避して時間を有効活用することで結果的にはスムーズに進むことが多かったですね。

失敗しない投資物件選びのコツとは?

ー 投資物件を買うときに気をつけていることは?
水澤:いろいろなエリアの収益性の高い物件を購入しています。ですが基本的には、自分の家から電車か車で1時間前後で行けるようなところ。片道に2〜3時間かかると、往復だと4〜6時間。時間のロスが大きい。何かトラブルがあってもすぐに行けない状況だとリスクが高まります。
ー 価格面について、注意することは?
水澤:「表面利回り」に惑わされないこと。家賃相場の変化により、そもそもの想定家賃が間違っていると利回りがガクッと下がります。また税引き後のキャッシュフローも下がるので、想定していた収入が得られない可能性があります。でも意外にそこをあまり調べずに投資してしまう人がいる。
ー それについて、どういった対応が考えられますか?
水澤:対策としては、現在の相場に合わせて全室の賃料計算をやり直すこと。たとえばSUUMOの賃貸経営サポートを活用すれば、周辺エリアの家賃相場がわかるので、賃料の適性金額が割り出され、それによって「正確な利回りの計算」ができます。
わたし自身も、現地でヒヤリングしたり、賃貸経営サポートを使って調べています。一度物件を買ってしまうと失敗したと思ってもすぐには売却できないから、買うときは慎重な判断が必要です。
ほかのオーナーから「どうしても買いたい物件がある」という相談を受ける場合もあります。しかし、あまりにリスクが高いと判断される場合はこのデータを見せて「ほらね」と、頭を冷やしてもらうこともありますね(笑)。賃貸経営サポートは、買い付けの申し込みを入れる時に適性金額を把握できるので役立ちます。

差別化をはかることで、魅力的な物件をプロデュース。

ー オーナーの多くは、一日でも早く空室を埋めたいと考えています。そのためにどのような努力をすればよいでしょうか?
水澤:物件の方が多くて需要が少ないエリアの場合、管理会社に委託するのみならず、自分でも複数の不動産仲介業者を巡ることがあります。資産ゼロから不動産賃貸業をやっている人は、あまり余裕がないので早く空室をなくしたい。そのため積極的に営業活動することは欠かせません。
ー そのほかに秘訣はありますか?
水澤:効率的な設備投資で、差別化できる物件にすることが重要です。たとえば資金を投資して大規模なリノベーションをしても、近隣に築浅・新築の物件が多いと差別化にはなりません。借り手がつかず、資金が回収できなければ当然経営も苦しくなる。設備投資はできるだけお金をかけずに競合物件と「差別化」をはかることがポイントです。
ー どのようなことがヒントになりますか?
水澤:入居者ニーズや周辺物件の設備状況を把握することですね。管理会社にヒヤリングしたり、SUUMO賃貸経営サポートを上手に活用すれば投資物件のあるエリアに「どんな設備が入っているか」「入っているとすればどれくらいの賃料か」を知ることができます。そこでリストアップされていない設備からニーズの高いもの──たとえば「防犯カメラ」や「宅配ボックス」を設置したり、「ペット共生」などの独自性を打ち出すことで物件を差別化することができます。ちょっと変わったところではご契約者に「10万円の入居お祝い金プレゼント」という特典をつけたこともあります。

「三方良し」で、お互いが幸福になれる賃貸経営。

ー 水澤さんは、2004年2月に大家さんのための情報交換・勉強会「大家さん学びの会」を発足されましたがその経緯についておしえてください。
水澤:義父の不動産の整理を行っていたときに「同じ課題を共有するコミュニティがあればもっとスムーズに物事を運ぶんじゃないか」と感じたことが「大家さん学びの会」設立のきっかけになりました。
ー 10年以上に渡り、どのような思いで会を継続されていますか?
水澤:今だったらインターネットで情報を取得すればいいんでしょうけど、当時は口コミが頼り。アナログなやり方でしたが、人と人とのつながりが生まれました。困ったとき、最終的に頼りになるのはやはり人。そう感じたので、13年間継続して毎月「大家さん学びの会」で勉強会を行っています。
ー 「大家さん学びの会」の今後の展望は?
水澤:現在は月に一度の開催ですが、平日の夜にも参加できる教育プログラムを検討中です。より多くディスカッションの時間が持てることで、賃貸経営に必要な知識や学びを得る機会が増えます。パートナー企業ともタイアップしながら、不動産賃貸業を初歩から体系的に学べるような場にしていきたいですね。
ー 最後に、水澤さんの大家さんとしての経営哲学をおしえてください。
水澤:大切にしているのは、近江商人の心得を説いた「三方良し」の考え方。「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの良しを説いたもので、わたしたちに当てはめてみると賃貸経営をするオーナーがいて、その周りをサポートする不動産仲介会社・管理会社や金融機関があって、入居者がいる。それぞれに利益があり、お互いが幸福になれるような経営を目指していきたいですね。

ここがポイント!

  • すべてを自分で抱えず、優秀な専門家に任せるべし。
  • 周辺エリアの相場を把握し、正確な利回りの計算を。
  • ライバル物件との差別化をはかって、設備投資は効率的に。
  • 賃貸経営は「三方良し」で、お互いの利益と幸福がゴール!

空室にお悩みの大家さんへ!

SUUMO賃貸経営サポートで、
家賃相場や周辺物件の設備状況を簡単検索!
会員登録する(無料)